2013年12月14日

ぽかん別冊『昨日の眺め』


突然ですが、12月24日に、ぽかん別冊『昨日の眺め』を出します。
恵文社一乗寺店で開催される「冬の大古本市2013-2014」への参加を記念して作成しました。
http://hunting.kotobayo.tv/

古本市に出ます、と簡単に返事をしたはいいが、家に本があんまりないなあ、と困りました。そうだそうだ、と頭にうかんだ4組。
M堂さん、歩希書房さん、古書柳さん、固有の鼻歌さん。古本好きならピンとくる方々ですね。そのひとたちに古本は任せようと、いつもながらの他力本願です。
でも、「ぽかん編集室」で出るのに、わたしはなにもしなくていいのかと(こういうところ真面目なんですよ)悩んで、「じゃ、記念に冊子でも作るか」と、いつものおもいつき。
で、この4組の古本屋(?)さんには常々豪語していた「読める古書目録」。
いい機会だし、それでも作るか、とおもったのは11月に入ったころ。最初の思惑は目録に掲載する本のコメントを載せるというものでしたが、それは時間的に無理!ということで、散文+目録という2部構成で作りました。着想から1ヶ月もなく作ってしまいました。まだ、出来上がってないですけどね。入稿はしました。

1部の散文は13名の方に書いていただき、2部の目録には4組の出品リストを掲載しました。
目録は後から見返してもそれなりの資料や記録になるように、けれど、見た目は思いっきりポップに仕上げました。(多分、ご老人の目には優しくないかも、、)
何度か催した古本市に4組に出品してもらったことがあり、これをドキュメントとして残したいなあというおもいがあったんですね。

散文は、最初はテーマを掲げて原稿依頼していましたが、評判悪かったのか、立て続けに断られ、途中から「テーマなし」としました。だけど、集まった原稿を並べれば、タイトル『昨日の眺め』になんとはなしに寄り添ってくるから不思議です。

『昨日の眺め』は、敬愛する詩人、天野忠の詩集タイトルからです。
ほんと、いいタイトルですよね。
「テーマなし」で書いてもらった13個の散文がひとつの小さな冊子に並んでいます。てんでバラバラかとおもいきや、隣り合った散文に「やあ、どうも」と言っているようなんですよ。意外としっくり馴染んでいて、連なっています。
13個の散文が並ぶたたずまいを見てくださればうれしくおもいます。

そして、今回、大平高之さんのとてもすてきなイラストを使用させていただきました
控えめでやさしいのに清々しい強さも持つ大平さんの絵も、この別冊のおおきな魅力です。13個すべての散文に大平さんのイラストを添えました。
テーマのない、これといってつながりのない文章に共通した旋律をあたえてくれました。

と、似たようなことを編集後記にも書いたので、もうこんくらいにしておきますね。

1ヶ月で作ったわりにはいい出来です。いいのが出来ました。
寒い冬の一日、毛布にくるまって読んでください。


追伸1
あんまりに良書を4組が出すので、わたしは初日に恵文社に並んで、古本を買おうとおもってます。ですので、みなさんも初日にぜひ。


追伸2
画像は表紙です。2色あるわけではなく、白色が表紙、グレーは中表紙です。

















2013年11月23日

取扱い店

「ぽかん」3号を取り扱っていただいている書店や古書店などです。
※リンクをはる余力なし...。すいません

【大阪】
ジュンンク堂書店大阪本店/Calo Bookshop&Cafe



【京都】
恵文社一乗寺店/古書善行堂/三月書房/レティシア書房/ガケ書房


【兵庫】
古書店街の草/トンカ書店



【東京】
古書音羽館/タコシェ/古書ほうろう/OLD/NEW SELECT BOOKSHOP 百年
ブックギャラリーポポタム/古書ビビビ/SUNNY BOY BOOKS/本屋B&B 


【岡山】
451ブックス/古書五車堂/蟲文庫



【徳島】 
uta no tane




【愛知】
ON READING/Books and Crafts SARANA



【岩手】
hina




【青森】 
THE STABLE


【通販】
トマソン社




2013年11月13日

ぽかん3号、デザインのこと。

なんだか気がつけば、冬到来といった感じです。
朝に飲む珈琲が美味しい季節ですね。

「ぽかん」3号を少しずつ、書店や古本屋に置いていただいています。
いつものことですが、作りおわってちゃんとした形になると、愛着がわかなくなるのは不思議なことです。飽きっぽいのでしょうね。

さて、3号のデザインのことについてです。
今号も2号までと同様、西田優子さんにお願いしました。本をつくること、だけではなくて、なにかつくったり仕事をする上で、「勘のよさ」というのは大切だなとおもいます。すべて言葉にせずとも、ピンとわかってくれることがいかに物事をスムーズに運ぶか。そして、ピンとくるポイントが近いことも重要です。

今号、「正方形・縦書き」にするというのは最初から決めていましたが、4色刷りにするか、2色刷りにするか、スミ1色にするかは、実際に原稿が集まってから決めました。

本誌の本文組は、書体、大きさ、行送りを何パターンも作ってくれ、より読みやすいものに辿り着きました。気持ち大きめの文字サイズです。

本誌の黒と青の2色刷りがいい、と褒めてくださる方が多いのは嬉しいです。「ブルーデュルコアーズ」という色だそうです。
2色刷りにしようと決めてから、実際にこの青色を選んだのは西田さんです。当初、ゲラはレンガ色と黒の2色で送られてきていて、わたしは「この色、変えてほしい」というタイミングを逃していました。

だけど、原稿が集まって、とくに澤村さんと中野さんの原稿を並んで配置するころには、自然と青色に変わっていました。わたしが何も言わずとも。
「鉛青色」、「青い睡り」、「セルリアンブルー」。
象徴的なことば、だけではなく、2人の原稿には青が溢れていて、本誌は青と黒の2色がいいだろうなあと曖昧なことを考えたら、あたりまえのように、ある日突然、青と黒になっていたわけです。いやー、仕事できますね。ほんと。

澤村さんの写真も、当初は2枚の写真を1ページずつスミ1色で配置していたんですが、それが気に入らず、見開きで1枚の写真をばーんと配置してくれませんか?とお願いしたところ、ばーんと配置するには画質が足りないと言われ、しょぼんとしたのですが、ブルーに加工された写真がばーんと配置されてました、自然に。手品師か。という具合。

ページの空いたところには当初、イラストを配置していましたが、急遽、ウメクサとして「シネマのある風景」をいれよう、となり、迷惑をかけました。(書き手にもデザイナーにも)だけど、いま、ページを捲ると、ウメクサの青色が、またページのアクセントとなって、効果抜群なわけで、わたしの思いつきってば冴えてるな、というか、この青色使った西田さん、さすがだなとおもうわけです。

ノンブルの位置も、ちょっとおかしいなあ、と読者のみなさんはおもったかもしれません。
入稿したときに印刷会社のひとに、「あのー、ノンブルの位置がへんなんですけど」と言われたように、普通はページの隅に配置するもんですよね。
ただ、この中央寄せも意識的です。これがよかったんです。で、もうすこし小さかったのですが、「もうすこし大きくして」と言おう言おうとしてたら、最後、勝手に大きくなっていました。いや、人の心が読めるのでしょうか、西田さん。

と、まあ、まとまりのない文章になりましたが、本作りにおいて、いかに勘の冴えたデザイナーは必要不可欠か、ということが主題でした。
そして、わたしはとても幸運だったわけです。







2013年10月29日

「ぽかん」3号目次

「ぽかん」3号目次
名付け親になる話 山田稔
多喜さん漫筆 (三)――色恋の談義 外村彰
小樽余市訪問記――左川ちかのこと 中野もえぎ
天童のゐる五分間写生 澤村潤一郎
『わが青春の詩人たち』 真治彩
サウダージ 福田 和美
千代田区猿楽町1-2-4(其の1) 内堀弘

付録
ぼくの百 秋葉直哉

付録
「のんしゃらん通信」vol.1目次
窓口をめぐりたどりつく先は 郷田貴子
折々ありぬ 藤田祐介
夏のお姉さん 近代ナリコ
子どもは判ってくれない 中山亜弓
インテリア・エクステリア 能邨陽子
お濠を眺めて、紅茶を飲む 藤田加奈子
 









 
 

2013年10月20日

ちょうちょぼっこ全員集合





















それにしても雨がよく降りますね。
昨日は、家にちょうちょぼっこ3人(ごうちゃん、杏さん、つぎちゃん)が集まって、「ぽかん」3号に検印紙を貼ってくれました。

わたしたちはものすごく仲がいいわけではありませんが、仲が悪いわけでもないのです。

杏さんは相変わらずまともとで、雨が降ったから畑作業ができない、ということで、訪れてくれました。天然生活的スローライフ実践中です。
杏さんの子ども、あおいさんは静かな子で、ひとりでご飯を食べ、お昼寝し、絵本を読んでいました。こんなにぎゃーぎゃー言わない1才児(2月で2才)っているんですね。驚愕です。

次ちゃんは相変わらず忙しく、1時間ほど手伝ってくれた後、フィンランド語教室に行くといい、水玉のレインコートに水玉の鞄という奇天烈なスタイルで出かけて行き、また帰って来たかとおもうと、大叔父さんの法事に、ということで去っていきました。
杏さんが「フィンランド語、喋ってみてよ」と意地悪な調子で言ったら、なんか小さな声で呪文を唱えていたのですが、それがフィンランド語だったようです。
「日本語もうまく話せないのに。」これまた意地悪な発言は、杏さんです。ついでに言うと、「サリバン先生みたいな格好してるね。髪型もね。」という意地悪発言もありました。

そんななか、やはり、世の中からだいぶずれてしまったのはごうちゃんとわたしが双璧でして、でも、無職、ということでごうちゃんのずれっぷりは凄まじいです。
最近、パーマをかけ、おおきなヘアバンド(どう見ても100均)をしているのですが、それが、長年デビューできない、漫画家のアシさんにしか見えないのです。
しかも、夕方迄手伝える。というので、何があるの?と聞いたら、「秋祭り」という回答で、予定が秋祭りって、なんやの。という感じ。

そうして、わたしは誰にも頼まれないのに、冊子を作り、週末毎にいろんなひとを自宅に呼んでは、判子を押してもらったり、貼ってもらったりと、「無職、予定は秋祭り」のひとに「あんた、何やってるの」と言えない状況です。

みんなで、作業していると、昔、ちょうちょぼっこで作った冊子『本箱』のことをおもいだしました。

きょうは雨の日曜日。
雨が降るなか、会社の若い娘たちが手伝いに来てくれます。
先日、仕事終わりに飲みに誘われたのですが、
「家に本が1,000冊届くので、きょうは早く帰らないといけないんです」と発言したところ、「真治さん、なにやってるの」という雰囲気になりました。そうしたところ、同じ歳の同僚が、「あのひと、アンダーグラウンドでいろいろやってるから」と説明していました。端的でまあまあ間違っていない説明!さすが!
アンダーグラウンドって。なんだか、地下でミサイル作ってるみたいじゃないですか。

まあ、手伝ってくれるひとがいるってことはすごいですよね。
こんなこと、普通したくないですよ。
みなさん、どうもありがとう。




2013年10月17日

読者カード





















 本のあいだに挟まっている読者カード。わたしはたまに栞のかわりに利用したりします。
古書を読むことが多いので、読者カードを投函したとしても届くことはありません。
葉書が本のあいだに挟まっているのは素敵で、届くことがなくても、感想を書いてポストに投函したくなります。

ぽかん3号には、その読者カードもつけることにしました。
感想を送ってくださったら嬉しいです。どうぞ素敵な切手を貼ってください。

2013年10月15日

検印紙














検印紙って、素敵。
そんな安易な発想で、作ったのはいいのですが、これを1冊1冊に貼ってゆくのを考えて、途方もない、とおもいはじめています。

ただ、2種類作った図案はどちらもかわいくて満足しています。
先週の土曜日に友人の左岸さんと琴子さんに判子をたくさん押してもらいました。ほんとは印刷するのがいいのでしょうが、予算的にむずかしいので、判子にしました。

椅子に女の子と猫、そのまわりに鳥が飛んでいる図案と、猫がなぜか仁王立ちで本を読んでいる図案の2種類です。どちらを気に入ってくださるでしょうか。



バックナンバー

ぽかん3号が出ますが、1号と2号もまだ在庫があります。
まだ読んでない方はぜひぜひ。

1号の内容
http://www006.upp.so-net.ne.jp/pokan/backnumber.html

2号の内容
http://www006.upp.so-net.ne.jp/pokan/backnumber.html

2013年10月14日

ぽかん3号がでます。


突然ですが、「ぽかん」3号が10月17日に出ます。
2号を出してから早2年が経とうとしています。定期的に発行することが大切だと分かっていつつ、何か作りたいという気持ちになかなかなれませんでした。

中尾さんが送ってくださる「大和通信」や出海さんが送ってくださる「瀬戸内作文連盟」を拝見する度に、わたしも、こんな風にささやかでシンプルでありたいと願ったものです。

2号まで、やりたいことがありすぎて、連載を多くもうけてしまったのが、窮屈になったんじゃないかと、そうだ、もっともっと、シンプルにして、動きやすくしようとおもいたちました。

「純粋散文雑誌」と銘打って、原稿依頼をしました。版型も変えることにしました。
本文は縦組みにし、文字も大きくゆったりしたレイアウトにしました。集まってくる原稿は、これまで以上に渋くて、読み応えのあるものばかり。
原稿もすべて集まって、3号の全体像が見えたとき、ベッドでごろんと横になっていたわたしは、不安にかられました。
これは、ちょっと渋すぎて、かっこよすぎやしないかと。
そうして、わたしに「ノンシャラン」という言葉が降ってきたのです。ああ、そうだ、気楽に読める、ライトなエッセイも、自分が作るものには欠かせないんだと。

それで、急に、付録をつけようとおもいたったわけです。
題して、「のんしゃらん通信」。ねころんで読んでも、電車で読んでも、楽しい、愉快な、かろやかなものに仕上がりました。

また、これまでの号にもあった、「ぼくの百」。
とんでもない量です。本誌に流し込んだら、それだけで30ページくらいになりました。
「純粋散文雑誌」とは遠いものになってしまいます。
そこで、ポスターみたいにしようというアイデアが浮かびました。
A1サイズ両面に、カラーで、書影もたっぷりの読み応えあるものに仕上がりました。


そして、検印紙。古書に慣れ親しんだひとなら、一度は憧れるでしょう。
雑誌なんだし、なくてもいいんです。だけど、まあ、やっちゃえ!と。これも図案を2種用意しました。

結局、「ささやかでシンプルでありたい」という当初の思惑からはずれました。引き算の編集ができず、足し算に次ぐ足し算。結局、やりたいことをつめこんでしまいました。
次、作るの大変だろうなあ、と、自分で自分の首をしめた感、大です。

ただ、古書店「街の草」の加納さんがくれた葉書に「自分のやりたいことを、やりたいようにして、出していって下さい」と書かれてあって、「ああ、これで間違ってないのだ」
次は次で考えればいいや、と、いつになく楽天的になった、わたしです。

どうぞ、よろしくお願いします。

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ぽかん3号
15㎝×15㎝、48ページ、中とじ、表紙カラー、本文2色 執筆:7名

ぼくの百
A1サイズ、両面、カラー

のんしゃらん通信
A5サイズ、8ページ、カラー、 執筆:6名

発行日:2013年10月17日
定価:900円(税込)

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執筆者と原稿の内容について、詳細はいましばらくお待ち下さい。